第三夜!夫婦で夜な夜な読書会。この会では、わたしたち夫婦が各々選んだ本についてふたりで語り合います。
今夜選んだのは、松浦弥太郎さんの『伝わるちから』、佐藤賢一さんの『ナポレオン』三部作。
そしてこの記事はその後編!『ナポレオン』について熱く語り合った内容をお伝えしていきますね。
(松浦弥太郎さんの『伝わるちから』については前編の記事にて語り合っています↓)
前編のまとめをしておきます!
・心から思ったことや心からの感動は「伝える」という意図なくとも「伝わる」。
・小さな物事からも感動できるのは「素直な人」。
・「素直な人」ってとっても魅力的。
・心に素直でいることって案外難しい。何度でも自分の心に立ち返ってその声に耳を傾けよう。
結構深い内容を話しておりました。
前回の内容は最終的に『ナポレオン』とも繋がってきますのでお楽しみに。
ではでは早速行ってみましょう!
『ナポレオン(台頭篇、野望篇、転落篇)』/佐藤賢一さん
ナポレオンって何した人?
ごめん、まずナポレオンって何した人やっけ?
ヨーロッパでめちゃ領土を拡大した人っていう大まかな認識なんやけど…。
そうそう。ざっくり説明するね!
※以下青ラインがマイナスの出来事、赤ラインがプラスの出来事
・コルシカ島(フランス領)に生まれたナポレオン。低い身分から上の位へ上がるという野心を燃やす。
・祖国(コルシカ島)の英雄に憧れその軍に入隊するが、英雄に裏切られコルシカ島に居られなくなる。
・フランス軍の中で成果をあげ、少将に昇進。
・ナポレオンはフランス国内で革命軍(ジャコバン派)に所属する。
・フランス革命がおこり、革命軍(ジャコバン派)が勝利。ナポレオンは昇進する。
・革命軍のトップがクーデターで倒され、ナポレオンも逮捕される。
・クーデター軍に実力をみとめられ、軍功を挙げながら権力を手にするようになる。
・ナポレオン自身がクーデターを起こすことで国のトップに躍り出る。35歳の若さでフランス帝国の皇帝に即位する。
・戦争を勝ち進め西ヨーロッパ全域を支配する。
・支配した国から反乱がおこり、最終的に敗北する。
・エルバ島へ島流しとなる。
・エルバ島を脱出し皇帝復活を目指すが失敗。セントヘレナ島に流され生涯を終える。
低い身分から必死の努力で上へと登り詰め、遂には皇帝へと即位したナポレオン。
落ちては這い上がるを繰り返しますが、最終的に辺境の島へ流され孤独の中でその生涯を閉じました。
なんかめちゃめちゃ強い人やな…
何度落ちても諦めないというか。
そうなんだよね。
寝る間も惜しんで勉強して努力して上まで登りつめた人なんだよ。
※ナポレオンは日々3-4時間睡眠だったらしい
「何度思い砕かれても何度でも挑戦する」
生まれ持った身分はその人の一生を決めるといってもいいナポレオンの時代。
低い身分の生まれでありながらも、必死の努力で一度はその大きな野望を遂げたということに驚きます。
歴史を学ぶということは、そのような偉業を成し遂げた偉人に出会い直せるということ。それ自体が感動するものがありますよね。
そこには創作物を読むのとはまた違った喜びがあります。
偉業をなしたナポレオン。でも幸せだったの?
ナポレオンの人生って波乱万丈すぎて大変やね…。
皇帝にまでなったのに最後は孤独に死んでしまったなんて。
そうなんだよね。すごいなぁと思うんだけど、この人生は歩みたくないと思ってしまうというか。
分かる。ナポレオンは実際自分の人生に幸せは感じてたんかなぁ?
わたしたちは実際にナポレオンと話したこともなければ、本人の証言を読んだわけでもありません。
そのため彼の本当の気持ちを知ることはできません。
しかし、ナポレオンの生涯を文字で追っていくだけでも、その人生の過酷さは十分に感じ取ることができます。
皇帝になって多くの国を支配したけど、支配下の国々の反発はとんでもなく大きかったみたい。
それを一人でなんとかしようとしてたんだよね。
そうなんや。
ナポレオンが皇帝に就いていたとき、助けてくれる部下はいなかったの?
優秀な部下が二人いたんだけど、ナポレオンはその二人も信じることができなかったんだ。
努力に努力を重ね、皇帝にまで上り詰めたナポレオン。
その能力やバイタリティはとても高かったそうです。
しかし、その能力は彼を助けた一方で、逆に彼を苦しめた。
ナポレオンは自分以外の人間を信じることができなかったのです。
兄弟や家族のことは信頼して大事にしていたみたいだけどね。
そっかちょっと安心した(笑)
政治的に関わる人のことを信頼できなかったんやね。
そうそう。
身分が低かったこともかなり関係してそう。
ナポレオンの優秀な部下二人も身分のことでナポレオンを馬鹿にすることがあったみたいだよ。
優秀すぎるナポレオンに唯一足りなかったのは、人を信頼するということ。
努力をして多くのものを手に入れたと自負する人ほど、他人を信頼するということはより一層難しくなるのかもしれません。
大きな成功に伴うのは大きな責任
ナポレオンは一人で多くを背負いすぎたね…。
そうだね。
一人で抱えきれる責任ではなかったと思う。
皇帝となる夢を叶えたナポレオンは、成功した人と言えると思います。
でも、成功した先に待っているのはとてつもなく大きな責任。
ナポレオンの判断や考えによって、フランス帝国の行く末は大きく変わる。
何万、何億という国民の命の責任を、ナポレオンは一人で背負っていたのです。
もしその責任を誰かと分け合うことができていたら、ナポレオンの最後も変わっていたかもしれないね…。
まとめ
・ナポレオンは低い身分から皇帝へと上り詰めた「努力の人」だった。
・ナポレオンは落ちては上がりを繰り返しながらも「絶対に諦めない人」だった。
・唯一の欠点は他人を信じられなかったこと。
・大きな成功には大きな責任が伴う。一人で背負うことは難しい。
【第三夜まとめ】
「素直でいること」と「成功」は両立できる?
前編でさ、「日々に感動するためには素直でいることが大事」って話したやん?
日々に感動できる素直な人はとっても魅力的だよねって。
でもナポレオンのことを話してると、素直でいるだけじゃダメな気がしてきた…。
うんうん、なんで?
ナポレオンは自分の「上にいくぞ!」っていう心の声に従い続けて皇帝になったやん?
言い換えると、心には素直になっていたわけで…。
でもナポレオンが幸せだったかというと、幸せだとは(客観的には)思えないんよね。
やっぱり大きな成功をした人は、苦しみの方が大きくなってしまうのかなぁって。
ナポレオンの成功に喜びはあったのか。
いつも周りを信じることができず、頼れるのは自分だけ。ナポレオンは不安な日々を過ごしていたのではないでしょうか。
そう思うと、素直でいることで得られる「喜び」と「成功」は両立することはできないのでは?と思ったんです。
確かにそういわれるとそうだね。
成功すると責任が大きくなって、自分の心に従うだけではいられなさそう。
そうそう。心の中を図にするとこんな感じかな。
あ~なるほど。責任が増える分、素直でいられる部分が減ってしまうんだね。
そうそう。
成功すると責任の領域がどんどん増えて、素直でいられる領域が圧迫されて苦しくなるんじゃないかなぁって。
ナポレオンは成功し大きな責任を背負った分、喜びを感じることができる素直な部分がだんだんと圧迫され、最終的に転落の人生を歩んだのではないでしょうか。
でもさ、この「責任」と「素直でいられる部分」の領域は重なることがあるじゃん?
その領域を大きくすることは可能なんじゃないかな。
たしかに!その状態なら、心に従いながらも責任を全うできているということやね!
図にするとこうかな。
「責任」と「素直でいられる部分」が重なる領域が大きいということ。それは、喜びを得ながら成功しているという状態を指すのではないでしょうか。
そして、心に従いながらも責任を全うできることがあるのなら。
それは「天職」「使命」ということができるのかもしれません。
わたしたちも自分たちの「天職」みつけたいね!
そうだね!そのためにはやっぱり心に素直になって、その中でできるだけのことをしていくしかないね。
第三夜まとめ
・心に素直になると日々に感動を見つけられ、喜びがある。
・成功するとそこには大きな責任が生まれる。
・心が素直な状態で、かつ責任を全うできるとき、それは「天職」「使命」と呼べるだろう。
次回へ向けて
今夜の「夜な夜な読書」はこれで終わり。
今回は松浦弥太郎さんの『伝わるちから』と佐藤賢一さんの『ナポレオン』でした。
このジャンルの異なる2冊、最終的につながる部分があるとはわたしたちも驚きました。
次回はいったいどんな話になるのでしょうか。本をゆっくり選んで第四夜の準備をしようと思います。
今日もお疲れさまでした!
第三夜「夜な夜な読書」前編は下記リンクからどうぞ。
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