第三夜!夫婦で夜な夜な読書会。今夜もわたしたち夫婦が各々選んだ本について語り合います。
今夜選んだのは、松浦弥太郎さんの『伝わるちから』、佐藤賢一さんの『ナポレオン』。
ナポレオンは台頭篇・野望篇・転落篇の計3冊。分厚い本で3冊に渡って語られるナポレオンの人生、なんて濃いんでしょう。
松浦さんのエッセイとナポレオンの伝記、全くジャンルの異なる本なのですが、最終的には意外と繋がる部分があって…?
予想以上の盛り上がりを見せた第三夜、わたしの筆がその内容すべてを伝え切れるのか不安ですが、心を込めて書いていきます✏︎
いざ行かん!
めちゃくちゃ楽しかったよ~!
※盛り上がりすぎて一つの記事にまとめるには一万字超えそうなので前編・後編にわけます。(ナポレオンについては後半記事にて!)
伝わるちから/松浦弥太郎さん
まずはわたしが選んだ本からスタート。
松浦弥太郎さんのエッセイ『伝わるちから』です。松浦さんといえば、元「暮らしの手帖」の編集長。今でも人気の雑誌ですね。暮らしを楽しむコツが載っているのが魅力でわたしも時々読んでいます。
松浦さんの本、実は前から大好きで。他にもたくさん読ませてもらっています。
松浦さんの暮らしや仕事への心がけ、解像度の高い日々の記録たちがめちゃめちゃ心に染みる。
写真にもある「僕が考える投資について」は自己投資の大切さを説いている本。素晴らしくて夫婦で読んだ!
そんなエッセイスト松浦さんの『伝わるちから』。前々から気になってはいたんですが、タイミングが来ず読めておりませんでした。
今回偶然書店で出会えたので購入!
帯のイモトさんのコメント「たくさんページを折って、たくさん線を引いて、わたしの本棚の中で1番汚してしまった本です」も素敵です。
「伝える」ではなく「伝わる」
本のタイトル、「伝える」じゃなくて「伝わる」なんだね。
そう、この本のタイトルは『“伝える”ちから』ではなく、『“伝わる”ちから』。
聞き心地としては「伝える」の方が耳なじみがあります。(実用書でもこういうタイトルの本ありそうですよね)
でも、「あえて”伝わる”にしている」と感じていて。
まずこのエッセイはどのような内容が書かれているのか?ざっくりお伝えします。
・暮らしや仕事の中で心が動いた出来事、心を見つめ考えたことについてかかれたエッセイ。
・驚くような出来事や予想外の展開などはない。すべて普段の日常や、なにげない出来事でのこと。
・松浦さんの愛や心を感じられる。
このような感じ。
ほんとに派手な出来事や事件、起こらないんです。でも読ませるちからがある。
読んでいると不思議と松浦さんの感情が伝わってきて、続きが気になる。
松浦さん自身が日常の色んな事に感動されていて、それがそのまま伝わってくる!
「伝える」という意図なく「伝わる」、と言えばわかりやすいでしょうか。
松浦さんが心から思ったことや感動したことが、エッセイという作品を通して伝わってくるんです。
そして読者側も感動する。
だから「伝わるちから」という本のタイトルにされたのではないでしょうか。
そして読んだ後には自分の暮らしも愛おしく思えるんですよね。
特別ではないことから「感動」を見つけられる人
普段の日常での感動がたくさん書かれてるんやけどさ、そんなに感動できるのってすごくない?
確かに。それって誰でもできることではないもんね。
「大きな成功」とか「嬉しいことを言われた」とかわかりやすいときだけじゃないんよね。
会話やことばからも感動を見つけてらっしゃる。
松浦さんの感動が書かれた一部分をどうぞ。
(出来事)年上の女性が「おとなしやかな」ということばを使っていた。
※おとなしやかな=落ち着いていて、穏やかな
素敵で綺麗な言葉だな。僕も美しい言葉をさりげなく使えるようになりたい。
(基本)野菜は3センチかそれ以下で切るのが料理の基本。その長さは子供から大人までの口の大きさの平均。食べやすいから、3センチまでに切ることが基本となっている。
どんなことにも先には人がいて、その人を思うことで工夫やアイデアが生まれる。そしてそれが基本となっていく。基本とは愛のカタチなのだ。
素敵だな~と思って自分もそうしたい!と思えるのはとてつもなく素直だし、
基本ってこうできてたんだ、愛のカタチだな~って感じてはる松浦さんの心も愛で満ちてます。
めちゃめちゃ素敵ですよね!!
こんな風に感動をどんどん見つけていける人って、自分の心に素直なんだと思う。
たしかに。素直でないと自分の心の動きがわからないもんね。
うんうん。
自分の心を否定せずにそのまま見つめることで、
自分の感覚に敏感になって感動を見つけていけるんだろなぁ~。
【大事なこと】小さなことからも感動を見つけられるのは、”心が素直な人”
少し本筋からずれるかもしれませんが、このエッセイでわたしが好きな一節をご紹介します。
らしくない、と言われることがある。特に最近良くある。
たとえば、ファッションだとか、人とのコミュニケーションのとり方だとか、仕事のやり方だとか、夢中になっていることだとかについて、「らしくないですね」と言われたりする。
そんな時、あなただったらどう思いますか。
(中略)
らしくないと言われた僕は「そうですよね」と相槌を打ちながら、心の中で喜んでいる。思わずにこにこしてしまう。だって、決して自分らしさを失っているわけでもなく、らしくないことを否定せず、好奇心を持って取り入れてみたり、影響を受けたり、素直に試してみたり、思い切ってチャレンジしてみたりしているからだ。
「失敗をおそれない」より―『伝わるちから』/松浦弥太郎著
「らしくない」なんて言われたら、わたしだったら少し萎縮してしまうかもしれない。「ちょっと間違っていたかな?」なんて自分の選択を疑ってしまうかもしれない。
でも、松浦さんは違うんですよね。すべて意識的にしているから、「らしくない」と言われることが嬉しいと思っている。
客観的に聞くと否定的なことばに聞こえる「らしくない」から、相反しそうな「喜び」という感動を見つけているんです。
ここまで自分がブレず、心の動きを自覚できる人ってなかなかいなさそうだ。
惹かれるのは「素直な人」
松浦さんは「素直な人」だと思うんやけど、わたしが好きな人ってみんな「素直な人」な気がする。
へぇ~そうなんだね!
わたしが好きな人…といえば音楽家・俳優・文筆家である星野源さん、ライター・脚本家である夏生さえりさん。
よくよく考えると、このお二人も「素直」という点が松浦さんとともに共通している気がするのです。
皆さんそれぞれ色々な形で表現をするお仕事をされていますが、どの作品にも、どのことばにも、どの音楽にも本当の心が映っている。
心から湧き出たイメージや思いや本音などが、作品というフィルターを通して屈折せずにまっすぐわたしの心に届くんです。
「心が伝わってくる」という感じ。
星野源さんなんてANNのラジオでめちゃめちゃ素でしゃべってる(と思っている)。げらげら笑いながら話されている中で、一つのことばがガツンと響いたりするんですよね。(わたしのために言ってくれてる!みたいな)
自分の心に嘘をつかない表現をされているから、わたしはこの人たちが好きなんだ。
松浦さんのエッセイを通してそう感じました。そして彼らを応援しているのがより誇らしくなりました。(大好き!!!)
そして今Twitter徘徊してたらさえりさんも素直さの大切さについて話されていた(!)
(やっぱりそうですよね!となって嬉しい)
逆に、心と表現が一致していないと感じたとき。そのようなときは「なんか違う」と感じます。
例えば
・Twitterなどのネットビジネスアカウントの表面的なことばたち。
(●●ヵ月で●●万円の収益達成!コツさえ学べばあなたもできる!)←本当に思っている?
・好きな人(推し)たちの無理した姿。
(主戦場ではないバラエティで周りに合わせて思っていないようなことを言っている)←思ったことを言った方があなたは素敵だよ!
心に素直でいることはとてつもなく大事なんだなと感じます。
素直な心でいるのは案外難しい
でもさ、心に素直でいるのって結構難しくない?
確かに。わたしも心の声を無視してメンタルを崩してしまったことが多々あるし。
以前わたしは仕事によるストレスで「うつ状態」と診断されたことがあります。
それは「もう辛い、今すぐ辞めたい」という自分の心の声を無視し続けていたから。
「やるべきこと」とか「(世間一般の)常識ではこう」とか自分の外側にとらわれて、声を聞けなくなっていたんですね。
仕事においてある程度の責任を果たすことは必要かと思いますが、あの時は「自分のしんどさ」という部分に関してはフル無視状態だったので、今思えばかわいそうなことをしたなぁと思います。
無視してるとは思っていなかったけど、結果的には聞けてなかったんだよね。
意識的に心に耳を傾けないと素直でいれないよね。
自分の心に素直でいること。
現在ストレスの原因だった仕事から離れたわたしは、自分の心に素直でいれてるなぁと感じます。
そして素直でいると、心が元気になるうえに、自分のことばにも力がこもってくる感じがするんですよね。
素直さって自分を守るためにも、何かを伝えるためにも大事だなぁ。
思えば、「心に素直でいることは大事」っていろんな本で色々な言い方で書かれています。
例えば、前回の夜な夜な読書会で取り上げた上原愛加さんの『NATURAL HAPPY いちばんの幸せが見つかる本』。
そこでは、「『I am princess』の気持ちで心のなんとなくの声に従っていたら思いもよらない大きな幸せが自分のもとに来るよ」、という内容が書かれていました。
他にも、最近書店によく並んでいる「引き寄せの法則」や「宇宙のパワーを引き出せ」というスピリチュアル系の本、「潜在意識」について説いている本も、すべての根幹にあるのは「自分の心に素直でいることが大事」ということ。
(ここらへんに関しては第二夜読書会でも取り上げてるのでさっきの記事覗いてみてくださいね)
色んな本で、色々な言い方で、同じことが言われている。
それは限りなく「真理」に近い気がしますよね。
そして何度も何度も語られるということは、わたしたちが素直でいるのって案外簡単ではないということ。
だって簡単にできるならこんなに言われなくてもできちゃうから。
だから、何度だって自分の心に立ち返って、なんか違うとおもったら自分が進みたいという方向へ方向転換しよう。
そうやって心の声を聞いていたら、わたしたちが生きていく世界がもっとずっと美しく、感動に満ちたものになるのではないでしょうか。
夫は割と自分の心に素直やんね。
俺は心から納得しないと自分を曲げないからね(笑)
そやね(笑)
わたしも見習お!
そしてこのブログは自分の心に従って作っていく!
いいじゃん!
そうしたらきっと心とことばが一致した記事が書けるね。
俺もより意識してくわ!
まとめ
・本当に感動したこと、心から思ったことは「伝わる」
・日常や小さいことから感動を見つけるには、「素直でいること」が必要
・「素直な人」ってとっても魅力的
・「素直でいること」は案外むずかしい。何度だって意識的に心の声を聞こう。
安すぎてびっくり!
まとめ&後編『ナポレオン』へむけて
松浦さんの『伝わるちから』について話してたらそれだけで1時間!そして記事もめちゃ長くなってしまいました。
それだけ魅力が詰まったエッセイなんですよね。
帯のイモトさんのコメント「たくさんページを折って、たくさん線を引いて、わたしの本棚の中で1番汚してしまった本です」というのがほんと分かる。
わたしもイモトさんと同様、めちゃ線を引いたし、何度もこの本を読み返しました。とっても大切なことが書かれているような気がするから。
1冊でかなり盛り上がってしまい、次の夫の選んだ『ナポレオン』ではどんな話になるの?盛り下がらない?なんて思っていましたが、心配不要でした。めちゃ楽しかった!!!
冷めないうちにまた記事をまとめます。気合いれて書くぞ~!ではまた!
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